広大な森の中、ぽつんと1つ、やはり広大な洋館がありました。
私達は目が覚めたらそこにいたと言うことですが、
不思議と【どうやってここに来たのか】は誰も分かりませんでした。誰もと言うなら、自分以外の全ての人が全くの初対面です。私達は自己紹介から始めることにしました。
分かったことは3つあります。
一つ、森を上空から観察できないこと。
一つ、森はただただ広大で、館から遠ざかろうとまっすぐに何時間歩いたとて、さて館に戻ろうと足を切り返せば、5分と経たずに館に戻れること。
一つ、ただ漠然と、【ここにいてはいけない】【帰らなくては】という認識が全員にあること。
何より、そう。
暫くは、この生活が続くだろうということも。